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EHS&S研究センター

セミナー

EHS&S研究センター セミナー2018

日 時:2018年11月8日(木) 13:30〜16:30(開場13:00)
会 場:UDX CONFERENCE A+B(東京・秋葉原)

テーマ:「施設を取り巻くリスクと対処」

基調講演「地方消滅の危機とこれからの日本のあり方」
森田 朗 氏 (津田塾大学 総合政策学部 総合政策学科 教授)

「環境価値重視の取り組みと再生可能エネルギーの動向」
山下 隆司 (NTTファシリティーズ総合研究所 常務取締役 EHS&S研究センター上級研究員)

「情報セキュリティを支える暗号技術」
久保田 英之 (NTTファシリティーズ総合研究所 EHS&S研究センター上級研究員)

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 人口減少・高齢化、エネルギー、情報セキュリティ、頻発する自然災害など、ファシリティを取り巻く課題は、山積している。
このような中、EHS&S研究センターでは、「施設を取り巻くリスクと対処」をテーマにセミナー2018を開催した。

 森田朗教授は、「地方消滅の危機とこれからの日本のあり方」と題し基調講演を行った。
わが国の人口は、今後急速に減少していく。 これは、長期にわたって続いてきた少子化によるものであって、容易に回復しない。 人口減少は地域によって異なり、少子高齢化が進む農村部では、地域共同体が成り立たず、まさに「地方消滅」になる地域も数多く出てくる。 さらに、経済、産業等にとって深刻なのは、生産年齢人口の減少である。 したがって、これからの国のあり方、地域のあり方を考えていくためには、人口が減少することを前提にしなくてはならない。 私たちの頭の中には、人口も経済も増加・発展するものだという発想があるが、これを捨てないといけない。 人口が減るということは、消費者が減るということである。 今後、都市部では高齢者が大幅に増え、意思決定構造の高齢化も課題になる。
人口減少の下で、従来と同様の社会の諸機能の質を維持していくためには、ICT 等を活用して、限られた資源、とりわけ人的資源を最大限効率的に活用する手法を開発する必要がある。 また都市への集約化、コンパクト化を推進していく必要があり、これらを自治体単位で行うのではなく、もう少し大きいリージョン(地域)で考える必要がある。 平均余命の考え方をもとに高齢者が雇用され、消費者側にまわる政策を行うことも必要であると論じられた。

 山下骼i上級研究員は、「環境価値重視の取り組みと再生可能エネルギーの動向」をテーマに講演を行った。 環境(E)、社会(S)、企業統治(G)に配慮した企業への投資(ESG投資)が増加している。 世界的には、風力や太陽光を中心とした再生可能エネルギーの導入拡大と低コスト化が進み、これらの活動の追い風になっているが、国内では低コスト化が課題である。 事業活動を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標とするRE100に加盟する企業が世界的に増加しており、自治体においても再生可能エネルギー100%地域を目指した取り組みが始まっている。 再生可能エネルギー由来など、環境価値を謳った電力供給サービスも始まっている。 低炭素化への対応が遅れると、企業の成長に影響を与える可能性があるとの指摘を行った。

 久保田英之上級研究員は、「情報セキュリティを支える暗号技術」をテーマに講演を行った。 人口減少時代には社会の効率化の要請がますます高まり、そのためにはICTの活用が不可欠となる。 ICT活用にあたっては、情報セキュリティの知識や脅威への対応が必要であり、交通系電子マネーやWeb通信を例に、そこに使われている技術を俯瞰し、情報セキュリティに欠かせない暗号技術を紹介した。 情報を盗もうとする側もコンピュータを使っており、その技術は年々進歩するので、情報を守る側も日々の勉強が必要であるとの指摘を行った。